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BA38の事故 [時事]

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2338248/2535463
このblogの英語ソースによると、、、

The crew managed to control the descent to a touchdown with wings level, on grass just over the perimeter fence at Heathrow, on the 27L extended centreline. The gear was down, flaps were set at about 20°, and the indications are that the crew had started the auxiliary power unit.

クルーはなんとか水平を保ちながらヒースロー空港の27L滑走路の延長線上の草地に降下し着陸しようとした。
ギヤは降りてて、フラップは20度、計器は予備のパワーユニット(APUと言って機体の最後部にある予備のタービンエンジン)を始動した状態だった。

On touchdown the 777's gear dug into the soft ground and separated. The aircraft came to rest at the threshold of runway 27L having made a short ground run of about 350m (1,150ft), probably because at touchdown the aircraft was close to its stalling speed.

接地で777はギヤを柔らかい地面に取られて離れた。機体は27L滑走路末端の空き地まで来ており、ほんの350mだけ短く滑走した、これは恐らく接地前に失速する速度に近かったためだと思われる。

また、デイリーテレグラフ紙で、専門家の話として、ガチョウなどの鳥の群れを吸い込んだためでは?という憶測を載せているのを、さも確定情報のように各紙が転載しているんだけど。

あのなぁ、、、鳥の群れを吸い込んだりしないと、2つのエンジンが同時に死ぬなんてことが説明しにくい、というだけで、ちょっと航空機のシステムを知ってる人間ならこの程度は言うって。

そうではなくって、今回の場合は、両エンジン無反応停止って状態が異常なのであって。

鳥を吸い込んで、異常燃焼とか、何らかのトラブルが発生したら、普通は計器に出る。自動着陸でエンジン推力も自動にしていて、上がらなくなったから手動でスロットルを上げてみたけれどエンジンが無反応だった、というのは、何もエラーワーニングが出ないままで(姿勢や高度を維持できないなどで不自然を感じるまでは)パイロットは気づくのが遅れた。

このビデオは順調なアプローチの最終段階で、順調にアプローチしていたからこそ、高度を処理して(失って)いて、気づいた時にはもう手遅れ。だから今回はデクレア・エマンジェンシー(緊急宣言)することなく、実質的に緊急着陸している。もう1秒も無駄に出来ない緊迫した状態だったはず。

もう1分でも30秒でも早く気づけば、高度を維持したまま空港上空まで行き、うまく旋回したり高度を処理しながらちゃんと滑走路に降りているはず。そのくらい、もう限界に近いくらいに高度を処理し、もうすぐ着陸だという段階で、最後の一踏ん張りする推力が無かったことになるが、そんなに危ない最後の1−2分にガチョウの群れに突っ込んで、パイロットが気づかない訳が無いし、エンジン計器に異常やワーニング音が出ない訳がないし、それをパイロットがわからない訳が無い。

というか、オートスラスト(推力自動制御)中に、エンジンが自動では制御できない(上がらない)時点で、すぐに大音響ワーニングが出ないほうがどうかしてる。

777はボーイングで初めてのフライバイワイヤー機で、コントロールを油圧やケーブルで直接行わず、いわば通信で制御している機体だ。エンジンも同じで、コックピットのスロットルとエンジンは、いわばLANのデジタルデータでしかつながっていない。

777は2発のエンジンなので、1発でもエンジンが死ぬと影響が大きい事から、殊更に信頼性の面では慎重な設計がなされているはずだけど、今回の場合は左右独立した設計の別系統で2重化出来ているはずのエンジン制御系に、同時多発にトラブルが発生したのだとしたら、問題はとても根深い。エンジンメーカーはロールスロイスで、英国にとってはさらにやっかいだろうが、しっかりと問題点を調査してもらいたい。


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