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ネストを使ってカラコレ [HDV]

以前書いたネストだけど、これを使う必要性のひとつに、カラコレ(カラーコレクション:色補正)がある。あるシーンの1カット1カットの補正と、全体の中の1シーンの補正は別物なので。「木を見て森を見ず」を避けることは、いつも自問しつづけなくてはならない。

特にドラマや映画などは、登場人物2人の切り替えし映像をカットでつなぐことを繰り返すが、(リアルタイムに2台のカメラで切りかえていることも最近は多いが)基本は別々に撮影したものを編集でつなぐ。理由は、照明器具や音声さんが映りこんでしまうから。。。
AさんとBさんがいて、この2人がおしゃべりしている設定でも、

ライト       ライト
 マイク   マイク
    A    B
カメラ1     カメラ2

この2台のカメラが同時に撮影できないほど、たとえばカメラ2がBさんごしにAさんを撮ってるとき、Bさん上のマイクとライトはAさんに最適なポジションをとるから、カメラ1でBさんを撮ると、カメラ・照明・音声さんまで映りこんでしまって「つかえない」。

で、どうするかといえば、2人に2度、同じ演技をしてもらって、2度撮影。で、後で編集。

カメラ1と2は、完璧に同じ色に調整されていない、あるいは、完璧であっても、照明条件の違いでAさんBさんの発色に違いがでる。現場にVEがいれば、現場の条件全て勘案して2つのカメラを微調整し追い込むが、最後の微調整は編集時になることが多い。

ハリウッドでの映画やTVドラマのポスプロでは、10年前から億円単位のNLE機材でカラコレやってるけれど、日本ではテープベースで、やっと最近NLEでやるようになった。で冒頭のネストでカラコレの話(にやっと戻って)で、細かいカットごとの微調整と、全体の中のシーンのクリエイティブな「色づけ」ができるようになった意義は大きいと思う。

特に渋い色、淡い色、モノトーンな色、鮮やかな色など、単に発色をコントロールするだけでなく、奥行きでぼかす、ノイズを加える、ブラーをかける、色をまわす、発色の波長をシミュレートしてみる、必要なら「ほこりっぽい空気」などノイズ成分や「スモーク」や「炎のゆらぎ」なんかの別な素材も使って、「空気感を加える」という表現に挑戦できるようになった。(時間との勝負だが)

テープベースではなかなか限られた時間で、ここまで到達できない。またこういうNLE上の効果は、一度作るとプリセットで資産になり、共有や転用が利く。いまどきの機材なら、ガンマをいじるくらいのカラコレならリアルタイム処理でレンダリング不要だったりするから、やはりネスト化したシーン全体に演出的トーンをかけていく「一工夫」は、全体のデキをよくする割にそんなに時間がかからない。


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