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Final Cut Express 4 [FCP]

http://www.apple.com/jp/finalcutexpress/

FCP6に対応するFCE4が、価格を下げて登場した。

AVCHDや、iMovie '08とのXML連携など、FCP6の美点をそっくり引き継いでいて、23,800円は、なかなか安い。特に、iMovieから、カットとディゾルブだけは引き継げる、ってのは、大変に実用的だ。

FCPとの違いは、プロ用CODECの利用や、EDLの扱いなどで、従来通り。ただ、ベジエ曲線利用のモーションパスが使えるとか、そこまで従来版でできたかな?という点も網羅されてて、家庭で使う分には編集機能としては申し分ないと思う。

FCPとFCE両方使っていると、今どちらを使っているかわからなくなりそうだし、FCPを無理して買ってる身としては、「いい時代になったもんだ」と思いつつも、手は出せない。そのくらいに、このソフトは、これから編集を勉強しようという学生や、子の成長記録を少し凝りたいからパパママ世代とか、企業のPVを作らなきゃならない広報担当者などには、手放しでお勧めできる。

この値段は、編集に対するテキスト代という感じになるだろうが、極めるならこれは非常に安い。


iMovie'08の評価 [FCP]

小寺氏のElectric Zooma!でも紹介されているのだけど、

第319回:Macオリジナルの新感覚編集ソフト「iMovie '08」
〜 短時間で作品制作、そしてYouTube公開まで 〜
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070822/zooma319.htm

彼のように一度でも編集を生業とした人には、この革命的なインターフェースの評価は高いのがよくわかる。僕も全く同意見なのだけど、どうも一般的な評価は違っているようだ。

というのは、このアップデートで削られた機能が結構あり、このソフトだけでiDVDなどでDVD納品まで完結させなければならない人にとっては、致命的な問題となっているから。アップルも旧版をダウンロードできるようにしている程だから、余程の大きな苦情がきたのだろう。まあ、iLifeでDVDやムービーなどの完成品の完成度としての装飾ありきな普通の人にとっては、前バージョンでできたことで、できないことがあることが致命的なのだ。

以前も書いたが、XMLでFCPへカット編集情報だけでも渡せる、ということは、僕に取っては最大級の先進性の評価になる。新Mac miniが、FCSの載ったMacProの、オフライン機になる、というワークフローもアリだ。これは、とてもすごいことだが、15万円するFCS2を買わない普通の人にとって、この機能は無意味なのだから。

ただ、この先進性はこのソフトだけで終わらないだろう、と予想する。次世代FCPにはこのインターフェースがスイッチャブルで載るのではないか、とすら感じるし、そうなって欲しいと思う。

小寺氏も書いているが、PremiereやAvid MC、今ならEDIUSなどの、従来からの3ペインをもつ編集画面(素材再生ウインドウがあり、仮想Rec機のウインドウがあり、タイムラインウインドウがあって、JKLによる操作ができる)では、このiMovie'08の編集効率に逆立ちしても追いつけない。

なぜかというと、素材をマウスで選んで、再生ウインドウに上げ、シャトルやJKLキーなどで再生したり巻き戻したりしながら、編集点を検討する、というこれまでのノンリニアの操作は、結局のところリニアなテープ編集をそのままパソコン上に持ってきただけの操作系であり、編集というプリミティブな作業においての効率は大して上がっていない。

表示や操作はノンリニア(非線形で飛び飛び)に扱えるのだが、思考はリニアなまま、という感じだ。早送りや巻き戻しが速いとか、マウスポイントやマーカーなどで飛ばせる、という点においては多少効率が上がっているが、より凝った編集へ向かうことでむしろ時間はかかる傾向にある。

iMovie'08のインターフェースの先進的なところは、読み込みの段階で「動画サムネール」を生成してしまうことだ。マウスでなぞるだけ、というもっとも基本的なヒューマンインターフェースで、非線形(ノンリニア)なラッシュを見る(大まかに見る)ことができるから、一目で素材全体のつながりを掌握できるというのが大きい。

いわゆる素材ビンでの時間軸が素材のフィルムロールの横方向にリニアに伸びると同時に、横スクロールではなく縦にスタックされているから、アナログ時計で例えるなら横軸が長針、縦軸が短針の関係で、面で時間を追っての素材の内容を掌握できる。しかも気になる部分は、マウスを流すだけで動画サムネールで音付きの飛ばし見が可能だ。この方式は、タイムライン上も同じ。

同様に、左クリックしながらのドラッグで範囲指定することで、前後の関連する素材サムネイルやラッシュを見ながら特定カットのIn点Out点指定が完了している、という直感的なインターフェースであり、これによって「編集」というプリミティブな操作上では、革命的に効率がよくなったと断言できる。

ここでいう「編集」は、決して2時間の運動会ビデオ素材をゴテゴテ加工しながら2時間近くのDVDに焼く作業ではなく、30分の素材を取り込み3分に要約するような作業なので、そもそも目的が違う。前者のようなビデオ飾り付けソフトとしては、前バージョンのテンプレートのような効果が必要なのだろうが、後者のような編集作業においては、例えば僕の場合は、このiMovie'08ではFCPの半分以下の時間で編集が完了してしまう。

ただかなり精神集中するので疲れるのだが、心地よい疲れではある。

だから、僕はこれは革命的だ!と手放しで褒めるしかないし、このソフトが初めてさわる編集ソフトになる子供たちに、編集リテラシーを教えてみたい気にさせられた。98%のカット編と2%のディゾルブで十分に意味のある編集。その名の通り、贅肉をそぎ落とすカット編集。

この新しいiMovie'08の開発責任者は、こういう編集の作業効率がわかっている人間だ。ぜひ、ProアプリケーションのFCS開発陣も、この宝物のようなインターフェースを実装するなり、より深くFCS連携するなり、採用を検討してほしい。真剣に期待している。

惜しいのは、スプリット編集か、せめてビデオインサート(画かぶせ)がこの直感的なインターフェースで実装されればなあ、と思うのだが、まあ今後に期待しよう。


HDDVDオーサリング [FCP]

DVD Studio Pro 4で、HDDVDオーサリングを久しぶりにやってみた。
HDDVDとはいっても、対象メディアは4.7GBのDVD-R。安売り品だと30−40円くらい。

MPEG2 12-15MbpsのVBRで1440x1080、16:9というパラメータにすると、地上デジタル放送と同程度となるのだけど、普通に液晶で見る分には十分にきれいだし、このレートだと40分前後入る。H.264はエンコード時間かかりすぎ、VC-1はFCS2で今後に期待、という所で、枯れたMPEG2でもパラメータを選べば満足度の高い妥協点はあるもんだ。

フルスペックを追求するのは現状で意味が無い(素材がHDVで1440x1080なので)から、地デジ並み画質で普段の撮影映像をDVD−Rに整理する方法としては、なかなかよいなと自画自賛。


HDDの性能向上とRAIDの恐怖 [FCP]

○今日は新しく買ったHDDの性能チェックした。WD1600JS。

■まず単体で計ると、Write60MB/s、Read 70MB/sくらい出てるのだけど、驚いた事にAdaptecのSATAカードRAID5だと、40-50MB/sしか出ていない。これ、てっきり逆かと思っていたのだが、Adaptecと言えどもミドルクラスじゃパリティ演算しながらのRead/Writeは、爆速にならないらしい。IDEで20-30MB/sしか単体性能のなかった時代の性能指標を、ひきずっているのかもしれない。もちろん、RAID0ならソフトRAIDでさえ台数に応じて速くなるのはわかってるけど。

■ただでさえ信頼性を犠牲にしてRAIDカードを使うのに、さらに低速では、やはりシングルでそこそこ高速になって来て、HD映像をシングルで余裕で扱える以上、わざわざRAID5でなきゃならない理由が、いよいよなくなった。READ70MB/s出てくれれば、560Mbpsだから、100Mbps程度のHD CODECならば、2ストリームは余裕でOK。3ストリームも、勢いをつけていけば大丈夫だけど、長時間はレンダリングって感じ。それもマシン性能が速いし全然余裕。

○でもって、ストレージにまつわる環境と、実態との関係を考察。

■深夜にNLEで切羽詰まって編集している人間にとって、挙動の怪しくなったHDDをなんとかダマしながら運用しつづけるより、あらかじめストックしてある新品HDDにデータをコピーして怪しいHDDを捨てるほうが、精神衛生的にも信頼性的にも、ぜったいによい。

■HDDでの問題が、ある特定のセクタ領域だけなら、特定のビデオクリップのある時間だけブロックノイズやオーディオミュートになるのだが、そういう場合、普通の人はそこだけもう一度素材テープからキャプチャし直して、そこだけ「塗り直す」。

■すると、そのHDD上の問題のある領域は、最初にキャプチャしたビデオクリップファイルでフタされた格好になり、問題の箇所はそのファイルを消さない限り2度と使われないが、大体そのファイルの問題箇所の前後などはタイムラインに使われているから、1本仕上がるまでそのファイルは消されないから、つづけては問題が起きにくい。いうなれば、シーケンシャルな使われ方の中で、問題を回避したことになる。

■ところが、RAID5でボリューム構成していると、たった1つの不良セクタ発生で、ビービー騒ぎまくってくれるから、「たすけてくれーー!」と技術に明るい人が呼ばれる。で、問題のディスクを取っ替えてリビルドが終わるまでは、全ボリューム遺失の恐怖と戦いながら編集を続行すべきか、何時間もリビルド完了を待つかの選択を迫られることになる。RAIDってそういうものだ。

■そんなこんなで、「RAID5なんか、つかえねぇ!」となり、RAID6が普通になるが、所詮はキカイなので、たったひとつのセクタ不良で騒ぐことに変わりはない。どんどん不良箇所が増えるのは、HDDを酷使するRAIDの宿命だ。

■テープベースならば、一瞬のドロップアウトと補正で終わって、何事もなかったかのように進む仕事が、RAID化する事で1ビットも失わないためという名目で、上記のようなシーケンシャルなシングル運用で問題になりにくいトラブルの芽をわざわざ見つけ出して、トラブルの種を抱え込む結果になる。

○そりゃま、何十億、何百億円とかけるような映画とか、1円も間違っちゃ困る銀行とかなら、ガチガチのストレージで1ビットも失わないようにするって考えもわからなくもないが、それにしてもシングルドライブで編集して、普通にバックアップを取っておけば十分だ。それに素材テープは残ってる事が当たり前なので、失うのはプロジェクトデータくらいだが、それも最近のNLEの標準機能で、別ドライブに一定時間間隔で自動セーブされ続けているのが普通になった。


Final Cut Studio Ver.2 [FCP]

FCS2ニュースリリース
http://www.apple.com/jp/news/2007/apr/15fcstudio.html

FCS2
http://www.apple.com/jp/finalcutstudio/

NAB2007 REEL
http://images.apple.com/movies/us/apple/finalcutstudio2/inaction_nab20070414.mov

ついに出た。

FCP6を含むFCS2として登場。満を持して、という感じだ。

ProRes 422の採用など、操作の表面的にはあまり変わらず、実は大変な事をやってる。Colorとか、Motion3とかは、なかなか「おお!」って歓声を上げてしまうほどの出来だ。

Proのフィニッシングツールとしては、「時間さえあれば」いくらでも凝れる余地が増えた。
GPUパワーも使ってのエディッティングシステムとしては、なかなかよさそうだ。Macを使うプロの現場でも、GPU(グラフィックボード)にお金をかけていく時代が到来した感じがする。Colorは、これまでの3wayカラコレから、すぐに乗り換えて使うな。

気になるお値段は、¥148,000。FCS1が¥128,000だったから、¥2万アップ。現行バージョンからのアップグレードは¥58,000。


FCP6の発表は? [FCP]

NAB2007で発表されるなら、日付をまたいで今日4/15(日)に発表される、と予想してたのだけど、何も起こらない。

おっかしーなぁーっっと、冷静になってみると、米西海岸は日本から16-17時間の遅れた時差があったから、あちらはまだ土曜日のお昼。。。そりゃそおうだ。だから、日本時間で今日の午後に発表かな?夕方にでも再チェックしてみるか。

今年はできればこの時期にラスベガスへ行きたかったけど、仕事がこの時期に特に大忙しで、今年は残念ながらあきらめた。夏前にでものんびりとしに行くかな。

Leopard(次期MacOSX)が10月に延期されたのだけど、FCSに影響があるのかないのか。

1.そのまま10月に延期。(最悪)
2.現行10.4Tigerに対応させるため夏くらいまで延期。(ちょっとマシ)
3.明日発表、NABでお披露目、4月末発売。(かなりよい)
4.アップグレードも含めて、今日から発売!(すばらしい)

昨年既に1年延期した前科があるので、このタイミングでOSの延期発表は、「小出しにして、ショックを和らげておこう」でなければよいのだけど。


映画やドラマ製作のテープレス化 [FCP]

FCP6を待って、ニュースリリースがまだかなぁ、とAppleサイトを覗くと、大変共感できる事例が出ていた。

「FCPでオフラインやってたら完パケまで」
「『真夜中のマーチ』をやってみて、テープレスでいけるという確信が持てました。」
http://www.apple.com/jp/pro/profiles/shimoyama/

VaricamやP2で撮って、その場でMacProへ。VaricamからFirewireで取り込める。P2は単にデータコピー。すぐに荒いオフライン編集ができて、そのクオリティのまま完成まで持って行ける。Final Cut Proの最新バージョンがDVCPRO HD/P2対応してるのも、安く映画/ドラマを作りたい監督には、最適解となっていることだろう。

結果として、テープレスの恩恵を最も受けている人って、こういう映画やドラマなどの現場の製作者なんだな。ダメ出しがその場で出来て、後日日を改めての追加撮影の必要もなくなるからすごいコストダウンだし、作業効率が上がって、質が上がって、モチベーションも上がる。

ドラマや映画って、大体は「タメ撮り」と言われることをやる。そこにいる出演者で撮れるシーンを、次々と撮ってしまう。だから本編でつながっていても、別の日に別の場所で撮ったものって事も多い。この場合、編集でつないだ時につじつまがあっているかどうかはとても重要だが、これがとても難しい(記録の仕事)ってことになるのだけど、現場にこれまで撮った素材がほぼ全てHDDにあれば、確認することも瞬時だから、これがすごく効率UPになる。

機材や編集室の束縛から開放されて、かなり自由に内容について試行錯誤ができるってことは、質が上がって行くのを自ら実感できてるだろうな。映画関係ならプログレッシブ前提だから、モニターの問題もないし。現場でシネマディスプレイとかの液晶で見てても、大丈夫だろう。

日程集中で疲れるだろうけど、効率が悪かったこれまででもダラダラ伸びて行くスケジュールとの格闘だった訳で、あきらめる部分が多いかどうかが違いだろうか。

PanasonicのVaricamは撮像デバイスからしてプログレッシブだから、24Pや30Pを撮るにはいい。DVCPROHDとノンリニアであるFCPとの親和性は、PanasonicとAppleの共同開発によるものだけど、細かなトラブル解決にどれだけ設計側が前向きかが重要な業務用途では、これも安心材料だ。

何よりFirewire(1394)という標準装備の枯れたインターフェースで、HDをハンドリングできることのメリットは計り知れない。

それにしても、もう少しDVCPROHDのカメラやデッキが安くなってもいいと思う。


FCPの標準設定ユーティリティをつくってみた [FCP]

まもなくFCP6が出るようだけど、現行FCPの問題点は設定値をプロジェクトなどに保存できないことだと、FCP使ってる人がよく口にする(というかWebでもよく見かける)。これが仕事でFCPを共用で使う人には困ったもので、ある人が標準的なKonaの設定から変更して、HDV取り込み/書き出し設定をして作業して元に戻さないと、そのままになってしまう。

実はFCPは、ログインユーザーごとに設定値を保存しているのだけど、これはつい最近知った。でも求めているのはそんなことじゃなく、どんな場合でも一発で元の標準設定、もしくは複数のプリセットにもどってほしい、ってことだ。

で、この数日、設定トラブルに見舞われてしまい、「しょーがないなぁあああ」ととおっっても苦労して、MacOSXの作法に付いてかなり学んだ。久しぶりに勉強らしい勉強した感じがする。

フリーウエア(気に入ったらはがき送ってねというポストカードウエア)だと、FCPRescueなんてのもあるんだけど、うっかり間違ってBackupを押すと現時点の間違った設定値でバックアップが上書きされてしまう。

で、例のロボット君に働いてもらうことで、簡単にいくらでも設定を作ってしまえるようになった。

編集するためにMacを触ってて、Finderやユーティリティの操作がしたい訳じゃないPCには素人な編集する人には、バックアップと復旧の機能は分けて、復旧機能だけをドックのFCPの隣に置いておくとか、MacOS起動時に自動実行させるとかがいいだろう。

で、実際にAutomatorアプリを作って試してみたけど、このバックアップ(保存)とプリセット(復旧)の2人のAutomatorくん、バッチリ動く。というか、働いてくれる。ぐしゃぐしゃにされたメニューの深層の設定変化も、きれいさっぱりに戻してくれる。すばらしい(^=^)。標準設定に一発で戻せるようになり、もうこれまでの苦労はなんだったんだろう、、、というくらい。

ネットで検索しても、細かいファイルのありかなどを書いてくれている人は多いけど、自動スクリプトで動くものはFCPRescueくらいで、こういうのを作ってる人(でWebに公開してる人)はなかなかいないみたいだけど、。

今回は、自画自賛、自己満足。

ただユーザー名に依存するので、Automatorが全く使えない人向きじゃないのが難点。
うまく検索とか指定とかと組み合わせて使える様に、ちょっと考えてみるです。


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